2015年02月05日
抗菌性MIM開発のご紹介
銅・銀の混合によりMIMに抗菌性を付加!
太盛工業では自社の研究開発室を中心として、MIMの最先端研究を行っています。今回は太盛工業が開発した抗菌性MIMのご紹介をいたします。
MIMは金属粉末を混ぜ合わせて成形、焼結させる技術です。そのために金属粉末の状態でさまざまな種類の金属粉末を加えることで、原理上多様な性質をMIMに付加することができます。
実際上は単純に粉末を混ぜ合わせて上手くいくことはなく、各種の条件設定が必須です。今回太盛工業では銅や銀を添加し、混合比率や焼結温度を調整することで、機械的性質を保ったまま、新たにMIMに抗菌性の性質を付加させることに成功しました。
この研究では、SEM(走査電子顕微鏡)の活用によるMIM組織の評価、強度試験、抗菌力の試験、耐食性の試験を行い、現状MIMが持つ優れた機械的性質(密度、引張強度等)をいかに保持したまま、高い抗菌性を持たせるかがポイントでした。
ベースとして用いた金属粉末はSU304Lで、ここに銅や銀粉末を添加することで優れた抗菌能力を付加することができました。下が銅粉末をSUS304L粉末に加えたMIMの、抗菌性の試験結果です。
太盛工業では研究開発型の町工場として、MIMにおける研究開発、学会発表、展示会出展といった活動を積極的に行っております。今回ご紹介したMIMはもちろん、「こんなことがMIMでできないか」といったことも是非ご相談ください!