2015年05月05日
MIM品質管理の基礎知識
高品質の維持はMIMメーカーの使命です。
金属射出成形(MIM)は、金型を使用して金属製品を製作する300個程度の中量生産から
10000を超える大量生産までを効率的に行うことができる加工方法です。
MIMは量産生産が前提となるケースがほとんどであり、また多量の生産を行うため、
単品生産・少量生産と比較すると、製品の品質管理・生産管理が極めて重要になる加工法です。
もし万一納品した製品に形状、精度や剛性等の面で品質不良が発生してしまうと、
お客様の生産計画に甚大な悪影響を及ぼしてしまったり、
最悪の場合はエンドユーザーの人命に関わるトラブルを引き起こしてしまいます。
そのため太盛工業では工程能力(工程が生み出す品質特性値のばらつき幅のこと)の管理をきわめて重要視しています。
今回のニュースでは太盛工業が取り組んでいる品質管理の基本的な点についてご紹介します。
■ 工程能力指数(Cp)の定義
量産品の品質管理においては、製品品質特性(寸法や重量等)データをグラフに表した時(下図参照)に、
平均値を中心として分布に偏りがない場合は工程能力指数(Cp)の概念を用います(偏りがある場合はCpkを用います)。
■一般的な不良率の基準
工程能力が高い場合はデータのばらつきが小さいため、標準偏差が小さくなり、Cp値が大きくなります。
なおCp値が1の場合は不良率3/1000(=0.3%)となります。
量産品生産においては、「Cp値1.33以上を目標とする」といった一般的基準がありますが、
Cp値が1.33の際は10万個に対し6個以下の不良となります。
ちなみに、モトローラが導入したことで知られる品質管理手法であるシックスシグマは、
100万個に対して7 個以下という不良率に相当します(上限+下限規格採用の場合)。
太盛工業では工程上のばらつきを抑えるために、数多くの工夫を加えています。
Cpを追うのみならず、不良ゼロが求められる製品のために、全数検査が必要になったなら、
いつでも行える体制を整えていることも重要な点です。
今後も引続き、世界最高品質を目指す、太盛工業の品質保証の取り組みをお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。